J.S.FOUNDATION

活動報告

'14.12.28 UPDATE
こんにちは。

今年も多くの方々が自然の猛威に曝されました。
地球規模の気象変動を身近に感じます。
被害に遭われた人たちが一刻も早く以前の生活を取り戻し、
穏やかな年の瀬が過ごせることを願っております。

遅くなりましたが、活動報告です。
2014年は、東日本の被災地でのソーラー街路灯の設置に重点をおきました。
岩手県陸前高田市の小学校、中学校の仮設運動場への設置工事が11月15日に完了。
これで2012年からスタートした「HOTARUプロジェクト」を無事に終了する事ができました。

皆さまの温かなご支援、こころより感謝致しております。
そして工事関係者の方がたもJ.S.Foundationの願いに賛同してくださりと、
たくさんの方の温かなお気持ちが込められて、被災地を灯しているのです。

この「HOTARUプロジェクト」は、
2011年12月、陸前高田市と大船渡市の保育園に、皆さまからお預かりした絵本を届けた帰り道、
大船渡市を通りかかると、暗い夜の中に、忽然と巨大クリスマスツリーが現れ、
その灯りの煌めきが私には希望に思えました。
灯りの魔法でした。

東北の支援活動を振り返ると、反省することも多々ありました。
その中でJ.S.Foundationの原点、現地の要望に応えるのではなく、
J.S.Foundationが出来る事を単独で探し出す。それがソーラー街路灯プロジェクトでした。

2014年のご支援感謝いたします。
2015年も皆さまに良い年でありますよう!!

ソーラー街路灯設置状況
J.S.FOUNDATION
2014年11月現在
市町村設置場所数量(基)設置費設置完了日
宮城県気仙沼市鹿折地区・仮設住宅、生活道路他(11基)11¥3,677,2502012.10.26
宮城県石巻市雄勝町浜地区、大浜地区、水浜地区・港湾施設(18基)31¥7,411,0002013.3.1
小渕浜・港湾施設(12基)¥2,845,0002013.3.21
トレーラーハウス街路灯(1基)¥205,0002013.10.2
宮城県名取市閖上地区日和山公園(5基)5¥1,386,1602013.3.27
宮城県石巻市万石浦中学校(12基)17¥18,853,9002013.5.31
渡波小学校(5基)2014.3.17
福島県伊達市柱沢小学校&公民館(7基)202013.5.31
掛田小学校(6基)
小国小学校(7基)
宮城県亘理郡山元町坂元中学校(6基)6¥15,610,0002013.11.6
福島県南相馬市小高小学校(10基)252013.11.6
小高中学校(15基)
福島県伊達郡川俣町福田小学校(4基)20¥7,760,0452013.11.11
川俣小学校(4基)
川俣南小学校(4基)
飯坂小学校(4基)
川俣中学校(4基)
岩手県陸前高田市第一中学校(10基)10¥2,849,5332013.11.15
宮城県気仙沼市鹿折中学校 (2基)72013.12.20
旧浦島中学校(5基)
福島県双葉郡浪江町浪江小学校(10基)41¥12,755,0002014.3.25
浪江東中学校(11基)
幾世橋小学校(10基)
請戸小学校(10基)
宮城県南三陸市上の山公園周辺(8基)202014年5月設置
寺浜地区周辺(2基)
旧志津川駅周辺(3基)
中瀬川周辺(7基)
福島県双葉郡楢葉町楢葉南小学校(3基)6¥5,250,0002014年7月設置
いわき市中央台仮設小学校(3基)
福島県福島市蓬莱小学校(3基)9¥3,000,0002014年5月設置
余目小学校(3基)
佐倉小学校(3基)
岩手県陸前高田市高田東中学(9基)30¥9,990,0002014年11月設置
気仙中学校(5基)
横田中学校(8基)
米崎中学校(3基)
広田小学校(3基)
気仙小学校(2基)
総計258¥91,592,888

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'14.09.26 UPDATE
こんにちは。

「観測史上はじめての短時間雨量」という言葉を毎日のように耳にします。
私たちが暮らす環境や生活習慣を、根本から見直さなければと思うけど、何をどうすれば良いのか?

9月3日の活動報告です。
福島県の楢葉町にある楢葉南小学校といわき市にある仮設楢葉中学校の街路灯の設置が完了いたしました。

楢葉南小学校の3基は、
いつの日か戻って来るであろう子ども達の賑やかな声を待ちながら灯りを灯し続けていきたい、
との想いで設置を決めました。

そして、楢葉中学校はこれまでは街灯が無く、帰宅時の生徒の安全に関して不安が大きかったのですが、
今回のJ.S.Foundationからの街路灯3基の灯りはとても喜ばれました。
楢葉町教育委員会の方からくれぐれも皆さまに「ありがとう」を伝えてほしいとの言付けです。

また陸前高田市の街路灯も11月初旬には設置が完了予定ですので
又ご報告させていただきます。

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'14.08.25 UPDATE
近年、自然災害の規模が私たちの想像を遥かに越えてきました。

連日、いままで経験したことのない竜巻、季節はずれの雹、観測史上初の豪雨等の報道が続いています。
災害現場に立ち尽くし、途方にくれている方たちの写真を何度も何度も目にしました。
一瞬で人生が変わってしまう程の衝撃を受けた被災者の方たちのこころを想像することさえ、ためらわれます。

でも、なにがあろうとも前を見て進んでいかなければなりません。
困難な環境にある皆さんの役に立てれば・・・と日本中の人が思っています。
皆さんにこころを寄せている私たちがいる事を忘れないで下さい。

広島市内で発生した大規模な土砂災害により避難所生活を余儀なくされている方たちに、
J.S.Foundationを支援してくださる皆さまの温かいお気持ちを込めて、広島市に100万円を託しました。
'14.08.01 UPDATE
暑中お見舞い申し上げます。

皆さまへの報告が滞っていて申し訳ありません。
皆さまから寄せられる善意がどのように活かされているかを、
早急にご報告しなければいけないのは、よく知っているのですが、遅くなっておりました。

7月15日、南相馬市鹿島地区の鹿島保育園を訪ねました。
この保育園には「子どもたちに目に見える形で自然エネルギ−を実感してもらう」という
プロジェクトを支援しております(詳しくは4月11日にUPしております)。
その完成した遊具のチェックと共に、
子どもたちを喜ばせようとバルーンアーティストの大平賢太郎さんにご一緒していただきました。
彼にはジャパンハートを通じて活動資金を支援したことがありました。

賢ちゃんが繰り出す様々な作品に子どもたちは目を輝かせて歓声をあげ、想像以上に喜んでもらい、
園長先生はじめ、幼児教育課こども企画係の職員の方たちにも感謝されました。
そして、帰る時に全ての園児に風船で作った剣をお土産に手渡して、それも本当に喜んでくれました。

賢ちゃんは120本の剣を前日から作ってくれていました。
こういう姿勢を見ると「ボランティアとは何ぞや?」がわかるような気がします。
自分のこころの奥底から誰かの役にたちたいと願うことだと。


皆さまもニュースなどでご存知のことと思いますが、
5月13日よりバルカン半島のセルビアとボスニア・ヘルツゴビナに降り続いた豪雨の為、
大洪水の被害が各地で発生しました。
サラエボに住む私の友人から事務局にSOSのメールが届き、現地の被害の大きさがわかりました。
ボスニアの内戦から未だ復興でききれていないこの国は、経済的にまだまだ厳しい状態にあります。
JSFは日本国内でサラエボに人道支援に入るNPOをさがしたのですが見つからなかったため、
ボスニア・ヘルツゴビナ大使館と相談をさせていただき、
5月27日付けで皆さまの善意、1,000,000円を被災者の生活支援として大使館に託しました。
その後、JSFが支援しているAMDAがボスニアに医療支援に入れるという情報を得たので
6月6日付けで800,000円を支援金として使わせていただきました。
AMDAのスタッフの努力で、現地で救いを求めている人に寄り添ってくれたら嬉しいかぎりです。

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'14.05.23 UPDATE
こんにちは!
街中が新緑に彩られ、目に入るもの全てが初々しく感じる季節になりました。
ピカピカのランドセルを背負う姿が少しずつさまになってきている小学生の列が横断歩道を行儀よく渡っていきました。
この子どもたちに私たちはどんな未来のバトンを手渡せるか、ふと考えてしまいます。
なにも決められない政治から一転し、あれよあれよと思う間もなく決まっていく法案の数々。
どうも世の習いとして、国難が大きければ大きい程、強力なリーダーを求めるのかもしれません。
いま、私の前の横断歩道を渡っている子どもたちは7歳か8歳位の小学生に見える。
この子どもたちが50歳近くなる頃に、東電福島第一原発の廃炉工事はどんな段階に到達しているのだろう。
また、困難な廃炉作業に携わる人たちの健康と安全が担保され続けているか、そのことも心配します。

福島県浪江町の街路灯の設置がすべて完了いたしました。
請戸小学校の昼と夜です。
子どもたちがいつの日か戻れますようにとこの街路灯と共に待つつもりです。

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楢葉町の仮設校舎については教育委員会の方と、学校の先生、立ち会いのもと視察を行いました。
仮設校舎は、いわき明星大学の土地で元々が山だった場所を切り開いて使用しており、
付近に街灯や町の灯りがほとんどない場所です。
学校に通う子どもたちを送迎するバスの乗降場等が暗く危険なため是非設置してほしいとの要望を受け入れてのプロジェクトです。
この仮設校舎に通うのは、楢葉町の小、中学生およそ150名で、いわき市内に散らばる避難場所からバスで通っています。

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これまでの被災地におけるソーラー街路灯の設置状況
J.S.FOUNDATION
2014年5月現在
市町村設置場所数量(基)設置費設置完了日
宮城県気仙沼市鹿折地区・仮設住宅、生活道路他(11基)11¥3,677,2502012.10.26
宮城県石巻市雄勝町浜地区、大浜地区、水浜地区・港湾施設(18基)31¥7,411,0002013.3.1
小渕浜・港湾施設(12基)¥2,845,0002013.3.21
トレーラーハウス街路灯(1基)¥205,0002013.10.2
宮城県名取市閖上地区日和山公園(5基)5¥1,386,1602013.3.27
宮城県石巻市万石浦中学校(12基)17¥18,853,9002013.5.31
渡波小学校(5基)2014.3.17
福島県伊達市柱沢小学校&公民館(7基)202013.5.31
掛田小学校(6基)
小国小学校(7基)
宮城県亘理郡山元町坂元中学校(6基)6¥15,610,0002013.11.6
福島県南相馬市小高小学校(10基)252013.11.6
小高中学校(15基)
福島県伊達郡川俣町福田小学校(4基)20¥7,760,0452013.11.11
川俣小学校(4基)
川俣南小学校(4基)
飯坂小学校(4基)
川俣中学校(4基)
岩手県陸前高田市第一中学校(10基)10¥2,849,5332013.11.15
宮城県気仙沼市鹿折中学校 (2基)72013.12.20
旧浦島中学校(5基)
福島県双葉郡浪江町浪江小学校(10基)41¥12,755,0002014.3.25
浪江東中学校(11基)
幾世橋小学校(10基)
請戸小学校(10基)
宮城県南三陸市上の山公園周辺(8基)202014年5月
設置完了予定
寺浜地区周辺(2基)
旧志津川駅周辺(3基)
中瀬川周辺(7基)
福島県双葉郡楢葉町楢葉南小学校(3基)6¥5,250,0002014年7月
設置完了予定
いわき市中央台仮設小学校(3基)
福島県福島市蓬莱小学校(3基)9¥3,000,0002014年5月
設置完了予定
余目小学校(3基)
佐倉小学校(3基)
総計228¥81,602,888


いつも、皆様の温かなご協力に感謝しております。
'14.04.11 UPDATE
こんにちは!

いよいよ東北地方にも桜前線が到達したとのニュース。
双葉郡富岡町の富岡第二小、中学校に行った際、
内藤順司さんが無念そうに「満開時は見事だろうなぁー」とつぶやいた、夜ノ森の桜並木の情報をネットで検索。
「人はいなくとも綺麗に咲くのですね。
でも、いつになったらこの町に自由に出入りできるのだろう?」のコメントが心に残る。

今回は、福島県南相馬市の「鹿島保育園の子どもたちに目に見える形で
自然エネルギーを実感してもらうプロジェクト」がやっと完成したのでご報告です。
外に設置したソーラーパネルからのエネルギーで、3つの楽器が演奏できるようになっています。
楽器にはそれぞれ特徴があり、1つは電子音、1つは世界の楽器、1つは大地の音がそれぞれ16音ずつ鳴ります。
表示板の針の仕様は、使っている電力を示すものになっています。
例えば、コンセントを差してスイッチONにした時には、その台数分が表示されます。
また1台を演奏すると消費電力が上がるので、針が1以上を示しますが演奏をやめると、再び1に戻るようになっています。
園児10名ぐらいに、デモで楽器を使ってもらいましたが、みんな大喜びで、叩いて音を鳴らして楽しんでくれました。
スピーカーに耳を近づけたり、楽器のまわりをぐるぐる周りながら演奏したり、
大人が予想していなかった反応をするので、面白かったです。

このプロジェクトも現地においての人手や資材などの不足で、期間も予算も高くなってしまいましたが、
子どもたちの笑顔を見ればOKかなと思えます。
人も資材も、巨大な防波堤や東京オリンピック工事のほうに流れてしまっているのかもしれませんね。

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'14.04.04 UPDATE
3月25日、J.S.事務局は福島県双葉郡一帯を廻ってきました。
福島に入る今回のメンバーは、40歳以下は最初から外しているため、我々の中では若手の内藤順司さん、
岩熊さん、内藤さんの友人の沖縄から駆けつけた映像ディレクターの森さんと、最強の強面メンバーの珍道中。
検問所でのチェックでは「私たちは決して怪しい者ではございません」と大人しく応じているのですが、
度重なる身分証明書の提示を求められると、
「ここは日本ですよね?私たちは日本人ですよ。そもそも日本にこんな場所があるのはおかしくないですか?」と、
責任も無い検問所のお兄ちゃんに話しかける。

いわき市から国道6号線を広野町、楢葉町、双葉町、浪江町と辿っていくのですが、
本当に豊かな自然があり穏やかな時間が流れていたであろう町で目にするのは、除染作業に従事する沢山の人。
そして検問所に配置されている沢山の民間警備会社の人たち。

楢葉町と富岡町の担当者との打ち合わせ。J.S.Foundationは楢葉町には特別学級仮設プレハブ教室を、
富岡町には震災被災児童への支援をしましたが、今なら「灯りを灯したい」というJ.S.の願いが叶うかもしれないと思い、
「教育関係の場所に灯りを灯したい」という趣旨を丁寧に説明。

「灯りを灯したい」は、この先どれほどの時間が流れれば帰還できるのか分かりませんが、
「あなたのことを忘れてはいません、想い続けています」と伝えたいのです。

打ち合わせの結果、富岡町は平成29年3月までは帰還しない宣言をされているので、
小、中学校4校を廻ったのですが、ソーラー街路灯設置は難しいと判断しました。
確かに無知な私でも線量の高さが気になりました。
楢葉町は教育総務課の担当者と現地に行き、
楢葉南小学校3基と生徒達が現在通学しているいわき市の仮設校舎に3基設置を決めました。

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その後、浪江町に入りましたが、11月に来たときと何も変わってませんでした。
でも、浪江小学校の街路灯は美しかったです。
灯りがつき始めると「ワッー」とみんなが嬉しそうな顔をし、握手をしていました。
この日も浪江の夕陽は住む人の無い町を染めていました。

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'14.03.14 UPDATE
東日本大震災から3年が経ちます。
テレビから流れる当時の映像に胸がつまり、一瞬のうちにあの日に戻りました。

あの日は社員と事務所で仕事をしていました。
激しい揺れで立っていることができず、やっとみんなで庭に這い出ました。
TVでは東北の沿岸部に押し寄せる津波で全てが流される映像が中継され、
想像を絶する大惨事が起きてることを漠然と認識しました。
そして、極めつけは福島第一原発の爆発。政府と東電は「安心しろ、ただちに人体に影響はない」の一点張り。
映像で爆発の瞬間が映し出されているのに、
「安心しろ、日本では原発の事故は起きないのです」本当に今思い出しても腹が立ちます。

あれから被災地では何が変わったのだろうか?
大量の瓦礫が処理され、キレイに広大な更地となりました。
その更地がこころに暗く沈んで映ります。
人影が消え、寒々とした風景は不自由な仮設住宅で暮らす人たちのこころの写し絵のようです。

今は桜の便りが届く日を待ちわびています。
便りが届いたら、少しはみんなが元気になれるような!!
私たちは皆さまの温かい支援を支えに、出来る範囲の活動をしてきました。
これからも知恵を出し合い、活動をしていきます。

念願の街路灯の設置工事が完了したとの報告をうけ、月末に南三陸町と浪江町に行ってきます。
内藤順司さんが同行してくださるのでHPで報告できると思います。

最後にお詫びです。
昨年の決算報告で宮城県石巻市を岩手県石巻市と間違えて表記してしまいました。
ご指摘くださった方にお礼を申し上げるとともに、今後は十二分にチェックいたします。
申し訳ございませんでした。
'14.02.20 UPDATE
記録的な大雪が各地に甚大な被害をもたらしました。
みなさまにはお変わりございませんか?

雪が少ない東京に住む私には、
文字通り「一夜明けたら銀世界」の風景が不思議で自然の凄さを感じました。
雪景色を美しいと見るか、厄介な物と思うか、
住む場所や体験によって真反対になってしまいます。
でも、どんなに困難な環境にあっても、
心温まる人と人の触れあいの物語があり、うれしく思えました。

J.S.Foundationは前回に続き、大学卒業目前の内藤風章くんに
ミャンマーでの初ボランティア体験のレポートをお願いい たしました。
こういう体験を経て、一人でも多くの若者を人道支援の現場に.....願っています。


「ジャパンハートの活動に同行して」

2013年12月24日から年末 年始を現地で過ごし、
2週間の日程でミャンマー・ジャパンハートの活動に同行いたしました。
先日もご報告したように最初の3日間はヤンゴンにある「ドリームトレイン」でボランティアに参加させて頂き、
引き続き父の撮影の助手として、吉岡秀人医師が活動されている
ワッチェ慈善病院と北部カチン州でのミッチーナ総合病院でのミッションに同行させて頂きました。

約10日間、昼夜を問わずの密着取材でしたが吉岡医師の活動を見て、
「パワフルで行動力のある浪速のおっちゃんだなー」というのが第一印象でした。

 はじめに驚いたのは、手術件数の多さです。今回の撮影中、一日平均20件の連続で、
一日の始まりは5時半に起床しラジオ体操から・・・
そして、掃除、朝食、ミーティングを終えて7時半からオペが始まる。
吉岡医師をはじめとする、日本から参加した研修医、ミャンマー人医師によってオペは着々と進んでいき、
一日が終わるのは遅いときで午前0時を超えることも度々の毎日を過ごしました。

 当地での手術は、月に約1週間に集中させて行い、つい最近までは期間も手術件数も今よりも多かったそうです。

 現在はミャンマーだけでなく、カンボジアやラオスなどにも医療支援を広げられていて、
様々なところでの手術、日本での講演会などの活動があり、
常に行動されているご様子で、その体力にただただ驚かされました。

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ワッチェ慈善病院で手術する吉岡医師

 その原動力はどこからくるのか、なぜミャンマーで活動しようと思ったのか をお伺いしました。

そこで吉岡医師は、
「遺族会に頼まれ、慰霊に同行する形で初めてミャンマーに来ました。
太平洋戦争当時30万人中20万人の日本人がビルマ(ミャンマー)で戦死し、
毎年のように遺族たちは慰霊を行っていました。
遺族たちからは、ミャンマーの医療がひどいからどうにかしてくれということを聞いていましたし、
実際に見て、ミャンマーの医療の現状を知りました。
それと同時に、ビルマで戦死した日本人の想いみたいなものを感じとりました。
どんな想いで亡くなっていったのかと・・・いろんな想いがあるなか、
なにかメッセージを抽出するとしたら、自分たちの死んだ後の日本のことをよろしく・・・だったのです。
このメッセージを受け取ったから、日本とのつながりを大切にしているし、
このメッセージに応えることを使命だと感じている」
とおしゃっていました。

いろんな人の想いを背負って活動されているからこそ、それが大きな原動力となり、
いろいろな困難や、協力してくれる人たちと出会いながら地道に活動して、
今までに1万人以上の命を救ってこられたのだと感じました。

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ミッチーナ総合病院で手術後、心配そうに我が子を抱き寄せる父親。
撮影 内藤風章

 吉岡医師は、1995年にミャンマーを訪れ2年経った1997年に一時帰国し、
2003年から再びミャンマーでの医療活動を再開しました。
最初は彼1人で活動していたため、医療活動に関わるすべてのこと、さらに政治や経済のこと、
東南アジア全体のこと、日本のこと様々なことを考えていらしたようです。

「右の目で日本国内、左の目を海外に向けて」と言うのをお聞きした後に、
吉岡医師の活動を見ていると、この言葉通りの事をされているなという印象を持ちました。

様々なことについて常に考え行動されているからこそ、見えてくるものがあるのだと思います。

 ジャパンハートのスタッフや、日本から受け入れている長期研修生には、
ミーティングや食事のときなど、吉岡医師の考えなどいろいろな事を聞く機会が多くあります。
ミッチーナでの訪問診療中の手術初日、機材の関係でなかなかオペがスムーズに運ばず
フラストレーションが溜まっていられるご様子だった吉岡さんが夕食時に、
「君たちはこの現場に初めてきただろうけれど機材のミスが多すぎる。
初めてだからとか、経験させてもらっているという気持ちでいる事はよくない。
いろんな隙が生まれるし、なかなか上手く行かない。
僕は一人の戦力としてここに連れてきている。結果を出そうとしないとダメだ」
とおっしゃっていました。

厳しい言葉ですが、こういった一つ一つの言葉の中に
「すべては患者のために」という想いがつまっていることを強く感じました。

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 ジャパンハートの活動を同行させていただき、吉岡医師の想いや覚悟を肌で感じることができ、
想いや、やりがいを感じて働いている人はこんなにも輝いているものなのだと思いました。
特に、オペ室に入る前の優しい感じが一歩中に入ると、ものすごい集中力と厳しい指示が飛び、
空気が一変します。そういう空気を自ら作り出せるというのは、
確かな経験と努力と自信が成せるのだなと驚きました。

 一つ一つの命を見つめてきた結果、いままで1万人以上の命を吉岡医師は救ってきました。
地道な活動の積み重ねがこういう大きなものになっていくのです。
私は、このようなすばらしい方と出会うことができて、
自分自身もっと努力していかないといけないな、とあらためて思いました。

自分の可能性や、希望を叶えるためのチャンスはどこに落ちているのか分かりません。
だからこそ、毎日を懸命に生きることでそのチャンスを掴みとるための
経験と見る目を養いたいと本当に思いました。

 今回父親の撮影で同行させて頂きました。
父は普段、浜田省吾さんやスピッツなどを撮影している音楽フォトグラファーです。
最近では、スーダンやカンボジアなど様々なNGOの活動も取材撮影しています。
各国の人道支援の現場では困難と対峙しながらも活躍している事実や、
そこには同時に生命(いのち)の尊さや美しさがあります。
私は、昨秋カンボジアにも父親の撮影に同行しましたが、
そこでも美しい風景や、人の営みなど様々なことを感じることができました。
今回海外での撮影同行は2回目でしたが
少しずつ父がやりたいこと、伝えたいことが分かるようになってきました。

 また、30年間父が撮影させていただいている浜田省吾さんの楽曲の中には、
愛や生命(いのち)、社会的問題についての楽曲が多くあります。
そういった楽曲で歌われていることが、現実に起きているのを目の当たりにして、
よりもっと現実的に考えられるようになりました。

 私は、浜田さんの楽曲を聴いていると、
夢や希望の中に「次の世代に」というメッセージがあるように感じます。
次の世代というのは私たちやまたその下の世代にあたると思います。
今回本当に貴重な経験 をさせていただきましたが、
こういった経験をさらに積み重ねていきたいと思いますし、
今まで皆さんが作り出してきたものを今度は私たちがそのバトンを受け取って
自分も伝えていくことのできる存在になっていきたいと思います。

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「灯りをともすこと・・・」そんな父親の想い、
浜田さんの楽曲に込められている想いを今回、同行させて頂いて少し分かった気がします。

大学4年時に大きな経験をしました、そして私はこの春に社会に出ます。
この経験を活かせるように精一杯の努力を重ねていきたいと思います。

今回このような機会を頂いたJ.S.Foundationや
ジャパンハートの皆さんその他ご協力していただいた皆様に感謝いたします。

ありがとうございました。

大学生 内藤風章(22)

写真 内藤順司

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2014年1月1日元旦の朝。
ミッチーナ総合病院の中庭で手術の待つ母と子。
'14.01.15 UPDATE
あけましておめでとうございます。
2014年が皆様にとってよい年でありますよう!!

今回は昨年暮れにJ.S.Foundationが連携し活動している特定非営利団体、ジャパンハートに
「そもそもボランティアとは???」を実体験してもらう企画として大学生に参加していただきました。
以下が彼からのレポートです。


Japan Heart
Dream trainツアーに参加して・・・

photo ボランティア活動に参加して印象的だったのは、子供達の笑顔が溢れていて幸せそうだったこと、
もう一つは、いろんなことに一生懸命取り組んでいる姿を見れたことです。

今回、2013年12月24日からクリスマスに向けたボランティアツアーに参加させていただきました。
さて、ドリームトレインとは、どういったところか簡単に説明すると、貧困のため子供を育てるお金が無い、
そして人身売買がおき、HIVにかかりエイズで死んでしまうという負のサイクルを断つため、
また、親がいないなどの子供を育てるための養育施設。
そしてミャンマーには100を越す部族、少なくとも8種類の言語があり、
学校に行っていない子供はミャンマー語を話せない子も多くいるため、
ドリームトレインから自分の村に戻った時にリーダーになる子も多く、自分が得た知識や知恵を教え、
村のみんながミャンマー語を話せるようになると、村の外に出て、仕事につけるようになる。
そうなると、人身売買をする必要がなくなる。
ドリームトレインとは、児童養育施設であり、HIV感染予防施設でもあるのです。

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ドリームトレインに行って、ボランティア活動の内容は、子供たちの食事の配膳の準備、
クリスマスパーティーやプレゼントの用意。その他、色々なことを手伝わさせて頂きました。
里親として初めて里子に会う人、ドリームトレインの事業に賛同し参加する方など、
様々な想いで今回のボランティアに参加されていました。
パーティーでは、プレゼントに目を光らせて嬉しそうに並んでいたり、
もらったプレゼントを見て子供同士、笑顔で話していました。
こういう姿をこの目でみるとボランティアっていいのかも、
自分が奉仕できることはしていきたい・・・と思える瞬間でした。
また、クリスマスケーキを児童たちが食べているとき、私にケーキをどうぞと「アーン」してくれました。
これは、幸せをみんなと共有したいという思いから、そういう行動になるみたい・・・
子供達の優しさが伝わってきてミャンマーには素晴らしい習慣があるのだと思いました。

photo ↑プレゼントの準備が終わりみなさんで記念写真をパシャリ。
みなさん楽しそうに活動されていて、笑顔が印象的でした。

photo ↑里親として始めて里子を紹介され嬉しそうな笑顔を見せてくれた可児(かに)さん。
ご自身で、たくさんのプレゼントを用意されていて、その優しさに胸が打たれました。

朝早くおきて朝練をしている子供達とサッカーをする機会をいただきました。
一緒に混ざってプレーさせてもらって、コミュニケーションを取ろうとしたり、ゴールが入ると一緒に喜んだり・・・
サッカーは言葉が話せなくても、みんなで時間を共有できる素晴らしいスポーツだな〜と
改めてスポーツの凄さ、素晴らしさを肌で感じることができました。
記念撮影の時、私が座るとみんなが寄ってきてくれて手を握って離さなかったり腕を肩に回してくれたり、
言葉が通じないのにジェスチャーで、「サッカーやってるの見たよ」と伝えてくれたり、
自分の名前を覚えてもらおうと名前をずっと言ってくれたり、
ドリームトレインの子は素直で可愛いいと本当に思いました。
いろんな場面で、子供達と触れ合うことがありましたが、
恥ずかしがっていた子も「こんにちは」というと日本語で返してくれる。
通じていることを感じると、子供達は笑ってくれる。
なので、自分も「ミンガラーバー」というと、嬉しそうに返してくれる。
少しの言葉、知っている言葉で会話するだけでも、通じあえるのだと強く思いました。

photo ↑英語の授業を見せて頂いたのですが、子供達が元気よく発言し微笑ましい雰囲気で学習していました。

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↑一緒にやったサッカーが終わった後の一枚。
Japan Heartを支援されている浜田省吾さんのツアータオルで汗を拭いていました。
浜田さんや、多くの支援されている方々の想いが、確実に届いていることを実感し、嬉しくなりました。

今回こうやって、参加してみて言葉がお互いわからなくても、
ジェスチャーでコミュニケーションを取りあったり、ニコッと笑うだけで、
時間を共有することができることはとても素晴らしいことだと感じることができました。
勉強なども積極的に参加していたし、学ぶということを楽しんでいる姿は、
なかなか日本では見れることは少なくなってきている気がして、
そういった意味でも、刺激をもらうことができました。
僕は参加する前まで正直、ボランティアということに凄く魅力を感じているわけではありませんでした。
でも、いざ参加してみると自分がこうやって役に立てている実感が湧いてくるし、
子供達の優しさや一生懸命、歌の練習や勉強する姿を見ると、
自分の中で忘れかけていたものや気持ちを新たに考え直すいい機会になりました。
「若いうちにいろんなものを見ておけ」といろんな方々が言うけれど、
ピンとこない人もたくさんいると思います。
だけどその1歩を踏み出し外を覗いてみると、違った価値観、文化に触れることができる・・・
そういうことを感じると少しずつ自分自身が変化できるのではと、私は思います。
現状に満足できない人や、不安もたくさんある・・・
けれど、笑顔は世界共通で通じ合うことが不思議なものであると、今回参加して思いました。
現状に満足できない人や不安がある人、もちろんボランティアに興味がある人、
人のために何かしたい人、いろんな想いは人それぞれあると思うけれど、
それぞれのやり方でボランティアに参加してみてはいかがでしょうか・・・
きっと自分自身の中にある何かを打開できるきっかけになるはずだと・・・
私はボランティアに参加して強く思いました。

最後に、今回このような機会を頂いた皆様に感謝します。ありがとうございました。

大学生 内藤風章(22)

写真 内藤順司

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