J.S.FOUNDATION

活動報告

2011.10.26 UP

去る4月25日、神戸で行われた浜田省吾さんの「東日本大震災被災地復興支援コンサート」の収益金21,244,279円がRoad&SkyからJ.S.Foundationに預けられました。

当初はたくさんの方々の温かなお気持ちと、被災地で困難な状況におかれている方々の橋渡しをどのようにして、そして、一日も早く届けられるかと考えました。

各方面からの情報を出来る限り集め、精査したところ、いろいろな問題がありました。
一番の問題はある機関に寄付をすると、20%から30%のお金がその機関の運営費にオートマティックにディダクトされ、寄付金が目減りしてしまうのです。
せっかく、みなさまのご協力を得て頂いた支援金が意味もなく減ってしまうのは許されません。
また、行政の不親切な対応にも問題があったり、時期が合わなかったり、いろいろな事情で思うように支援先が決まりませんでした。

でも、絵本プロジェクトで私たちはこれまで約120か所の宮城や福島の保育園や幼稚園、仮設住宅、仮設病院を訪ね直接、いろいろな話をさせて頂きました。
その中で福島県の除染作業が遅々として進まない現状に多くの保育関係者がこころを痛めていました。

その頃、南相馬市が計画的避難区域を除いた市内全域で放射性物質を取り除く除染を東大のアイソトープセンター長の児玉教授と共同実施をしているという話を聞き、このプロジェクトを調べてみようと思いました。

南相馬市の桜井市長の「こどもに帰って来て欲しいので、安心してこどもが帰れる環境を作る」「こどもが帰ってくれば、若い人たちも帰って来てくれる」のメッセージに応え、南相馬市の市民やボランティアの人たちがこころをひとつにして黙々と除染作業をしている映像に心が揺れました。

市民を預かる行政の長のメッセージほど心強いものはない。

国のために国民がいるとでも思い込んでいる、中央のドタバタ劇にうんざりしていた私は桜井市長に人間味を感じ、「この市長に収益金を預ければ間違いなく除染費用にあててくれる」という確信をもちました。

何度か南相馬市の教育委員会の方たちと打ち合わせをし、岩熊さんに連絡をとり、私としては除染費用の一部として寄付をしたいと相談をいたしました。
岩熊さんも「いいのではないですか」と賛成してくださり、10月18日、直接桜井市長に受け取って頂きました。

桜井市長はなかなかの人物に思え、私たちが伺った日、「この後、国交大臣が視察にくるんだけど」とおっしゃるので、「しょっちゅう変わる大臣の視察なんていいから権限とお金をすぐよこせって大臣に言わないと駄目ですよ」と思わずつっこみを入れると、桜井市長も「じゃ、秘書ということで一緒に行きますか」(笑)

みなさまもご存知のように除染作業は容易ではありません。今後、どんなことになるのか誰にも分かりません。
そもそも除染したからといってその場所に子どもたちが帰ってきて良いのか、悪いのか、それも良くわかりません。
でも今回は除染費用として使わせて頂きました。

除染作業中の保育園を案内してくださった方が園庭の針葉樹を指差し、「庭の除染が終わってもあの葉にも放射線がついている、そしてこの建物の屋根にも・・・。」除染作業ひとつとっても長い長い道のりです。

J.S.Foundationは自分たちに出来ることは継続していく覚悟です。

J.S.Foundation代表 佐藤 佐江子

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