J.S.FOUNDATION

活動報告

2011.08.02 UP

7月28日、福島県相馬にある相馬保育園、中村報徳保育園、みどり幼稚園、みなと保育園、新地保育所に絵本を届けに行ってきました。
私たちを待っていたこども達は大喜び。そして、こども達が可愛い手作りのメダルを首にかけてくれた。

福島に絵本を届けるのは初めてです。例の様にまずベースキャンプで本の整理をします。
仙台から車で1時間半くらいで相馬市に入る。
相馬市は美しい自然に囲まれ、目に入る建物も歴史を感じ、いたる所に馬のイラストと相馬家の家紋の旗がはためいている。
約千年の歴史をもつ「相馬野馬追」の神事が震災の犠牲者の鎮魂を願い、開催されていた様子はテレビで観た。
沿道で涙を拭きながらその騎馬隊の行進を見送る人の姿が思い出される。
相馬市から南相馬市に向かう道に「東北電力原町火力発電所」がある。
その発電所は無惨な廃墟のようで、付近は4ヶ月たった今も重油の匂いがし、大量に流出された重油の海水汚染はいかばかりか?と心配になる。
沿道に「県民とともに、東北電力」ののぼりが数多くたてられていてブラックジョークのように思えた。
しかし、こども達は元気だ。こころに深い悪夢を抱えながらも見た限りでは元気だ。
絵本プロジェクトを現地で活動するにあたって心理学の専門家からレクチャーを私は受けた。
絶対避けること、自分から被災された人に話しかけない事。それを守りながら絵本の話をしていると、園長先生が3月11日の地震、津波、原発事故の話を語りはじめる。たくさんの園児をどのように守り、避難させたか。
地震発生時はこども達を園庭に集めたが津波情報をうけ、保育園の屋上に避難させた。
屋上から海の様子を窺うと想像をはるかに超える津波のようすが見え、あわてて高台にある中学校にみんなで逃げた。
その時、近くの小、中学校の生徒が園児の避難も手伝ってくれたらしい。
宮城と明らかに園庭がちがう。ビニールのプールがない。庭で遊ぶ子がいない。
放射線の線量数値が目につくとこに掲示されている。
同じ光景はこどもの元気な声と園庭で高く伸びているひまわりだった。

J.S.Foundation代表 佐藤 佐江子

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