J.S.FOUNDATION

活動報告

2011.06.23 UP

6月20日、仙台市荒浜に作っているHEARTQUAKE ProjectのBACE CAMPの地鎮祭に合わせて仙台に向かう。
6:12東京駅発「やまびこ251号」、東北に向かう一番列車なのに座席は満席。
以前は緊急支援に向かう人たちの大きなリュックとヘルメットが目についたが、今日はビジネスマンがパソコンとアタッシュケースを抱えている。
それを目にしながら東北も復興に向かいつつあるのを実感した。
今回は皆さまもよくご存知の田家秀樹さんが参加したいとの意向で10時に仙台駅で合流。
10時30分に地鎮祭が地元の神主さんにより執り行われる。
津波の被害が残るこの場所で神主さんが厳かに祈りを捧げる姿に感動したが、田家さんは訳がわからない70人ぐらいの人たちに困惑気味。

私たちは事前にリサーチした場所に絵本を届ける作業をスタート。田家さんも暑い中お手伝い。
見るからに繊細な方なのでどうしたものか?と思ってはいたが、「田家さん、今日は気がつかえませんから」と私が言うと、穏やかに「大丈夫ですよ。力仕事以外は」とおっしゃる。どこまでも穏やかな方だ。

はじめに向かったのは、南三陸町の仮設志津川病院の小児科。
まだ、となりのベイサイドアリーナは避難所として使われていて、これから迎える梅雨や夏の暑さから身を守るのは過酷な生活環境だと思う。
避難所の隣の空き地にボランティアに駆けつけているひとの6つの小さなテントが目についた。

次は町立志津川保育所に向かう。ここも絵本を喜んでくれ嬉しかった。田家さんと高台から海を見る。
海は穏やかで入り江も美しく「南三陸は美しくてホテル観洋に家内と行こうと思っていた」と眼下に広がる無惨な街を見ながら田家さんがつぶやく。
穏やかな声だけに「ここはそんなに美しい入り江だったのか」とすべてを津波に飲み込まれ巨大な洗濯機にかきまわされたように粉々になってしまった震災後の風景しか知らない私にも、もともとの南三陸の美しさは想像できた。

次は仙台市高砂保育所。絵本と歯医者さんから寄付された子ども用のたくさんの歯磨きキッドを届ける。
ここも絵本が品不足で喜んでくれた。

次に向かったのは中野栄あしぐろ保育所。
園長先生が「絵本が駄目になってしまい買うにも高いので困っていた」と喜んでくださり子ども達に直接手渡す。
「暑いなか本当に有難うございます」とチョコアイスをプレゼントしてくれた。
早速食べる。美味しかった。この保育所は1階部分すべてが津波で浸水してしまい、絵本は全滅状態でJ.S.Foundationからの絵本を心待ちにしてくれていた。

最後は福田町あしぐろ保育所。
絵本を運びこむ私に園長先生が「鼻血がでてますよ。暑いからかしら?」と心配そうな声をかける。
「え~鼻血?」とTシャツの胸をみると胸元にチョコアイスの食べこぼしが。
「すみません。鼻血が出るほど働いたと言いたいとこですが、これはアイスの食べこぼしです…」

J.S.Foundation代表 佐藤 佐江子

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