J.S.FOUNDATION

活動報告

2005.02.28 UP

J.S.Foundationもみなさまの温かなご支援を支えに6年目を迎えます。
この小さな基金も昨年はネパール、モンゴル、アフガニスタン、イラク、スーダン、ハイチなどで様々な要因で被災された人たちと現地で活動されている人道支援団体「UNHCR」「AMDA」「国境なき医師団」「ピースウィンズ・ジャパン」との架け橋になれたことは幸せです。

昨今、グローバルな規模で情報が一瞬にして世界をかけめぐり、様々な映像がオンタイムでお茶の間に写し出されます。
インターネットの普及で私の小さい頃とは比較にならないほど、世界が自分にとり身近になってしまっているのだと思います。
そしてそのあふれる情報に「他人事」として己の中に一線を引くにはリアルで酷すぎる映像が眼や耳に飛び込んできます。
しかしこの情報の波の中から自分に必要な情報をすくいとれているのか。
昨年の日本を振り返ってもイラク人質事件や、自衛隊イラク派遣などをふまえて考えると「何をもって人道活動とするのか、誰をもって人道援助従事者とするか」が明確でなく混乱しました。

J.S.F.は現在、2004年11月から「ピースウィンズ・ジャパン」の協力のもと、アフガニスタン北部の女性たちを支援する「女性のための養鶏識字教育」事業を6ヶ月間、事業予算2,365,320円のプロジェクトに参加しております。この女性たちはほとんどが夫を紛争などで失った未亡人で、多くの場合子供もたくさん抱えております。
このような女性を対象に養鶏場を建設し養鶏の技術指導および識字教育を行います。
そしてアフガニスタンではたんぱく質の不足が目に付きますが、養鶏の技術を手に入れることはたんぱく質の確保を意味し、また多くの女性は字が読めないため、識字教育を行うことで、女性たちはたとえば薬の使用方法を読めたりできるようになります。
スタートは約20名の女性を対象としますが、仮にまた20名を増やすと約45万円増というような形で、今後とも継続的に少しでも多くの女性たちに対して教育の機会を提供していきたいと考えております。
このプロジェクトにつきましては、今後も折に触れ紹介していきたいと考えております。

私事ですが、先日ジュネーブの小さな町の教会である女の子を偲ぶミサがありいろいろ深く考える時間を持ちました。
イエス様に仕える「善き人」とは何を意味するのか。
魂の救済とはどういうことなのか。
他人のために私は泣くことがなかったが、これからはできるだろうか。
自分より大切に想える人がいただろうか…etc.
頭いっぱい「?」が浮かびましたが、その日理解できたことがありました。
人は現実と仮想の二つの世界を絶えず行き交い生きていくものかも知れない。
今生きる現実と夢を思い描き平和を願う仮想、そういう心模様が生きていける手段なのかも知れません。
そして美しいと感じる力が自分にある限り、まだまだ自分は自分を支えていける…となぜか誰かが私に話しかけてくれたような気持ちの良い時間が心に残りました。

J.S.Foundation 代表 佐藤佐江子

こんにちは。
寒い日が続いています。
風邪など引かず元気にお過ごしでしょうか?
先日、京都議定書が発効されました。
世界全体で環境破壊を抑制していくという事は素晴らしいことと感じますが、一方では大国の拒否や、二酸化炭素排出権の売買が商品として成立するという実態もあり、複雑な気持ちにさせられます。

昨年は様々な自然災害が発生しました。今思いつくだけでも、度重なる世界各地での洪水、ハリケーンの発生、新潟中越地震、スマトラ沖大地震とその被害は甚大です。
昨年ほど、異常気象という言葉を耳にした年は今までなかったのではないでしょうか。
ただ、我々は昨年を異常気象の年という一言で片づける訳には、もういきません。
今の地球にとって昨年の自然災害の多発は一過性のものではないのでしょう。
「受け入れるか、立ち向かうか、どこにも逃げ出す場所はない」、それが今現実のものとなりました。
世界中何処で何が発生してもおかしくない状況の中、果たして我々に選択肢は残されているのでしょうか。
昨年、緊急援助としてJ.S.Foundation.は新潟中越地震に寄付をさせていただきました。
一方でスマトラ沖地震への支援は今のところ様子見としております。
この対応に関し、ご不満をお持ちの方も多いと思いますが、スマトラ沖地震においては緊急援助として各国が積極的に資金、人的援助を大量に投入しました。
結果、緊急支援としての資金は現時点では充足しているものと認識しています。
一方で危惧されるのはインフラ等の主要な復旧がなされた後のことです。
高度な情報化社会の発達により一瞬にして情報は世界を駆けめぐります。
その結果、必要以上に情報が氾濫し、大きな事件が発生しても、次の事件が発生した途端に注目が移り、忘れ去られてしまう速度が早くなりました。
おそらく今回の被害も外見上元の姿を取り戻すと共に、各国の支援が終了し、人々の記憶から薄れていくことでしょう。
しかし外見上全てが元に戻ったとしても、失われた人が戻ることはありません。
被害に遭われた方々の心の傷が癒されるには長い長い時間を要することとなります。
J.S.Foundation.は、マクロ的な復旧が落ち着きを見せた後、継続的な支援を前提として、今後の支援先、支援方法を検討し実施していきたいと考えており、その点ご理解いただきたく存じます。

J.S.Foundationへは今回の災害に対し支援をして欲しいとの要望の元に、募金が少なからず届いています。
しかし、そこで私たちはジレンマに陥ります。
これだけ多い被災地の中でどこに何の目的で支援をするのか?果たして効果的に活用できるのか?
そして支援先を確定しても、責任を持って義援金を預けることができる組織を見つけることができるのか?
非常に難しい問題です。事実、昨年7月には新潟への支援はさせていただいたものの、福井への支援は実現できませんでした。
つまりは、特定の目的の為に J.S.Foundationへ募金をいただいても、実現できない場合もあるというのが残念ながら事実なのです。皆さんの心の込められた義援金を、難民の方々、被災者の方々へ確実にお届けすることがJ.S.Foundationにとっての絶対条件です。裏返せば、使途が明確であり、かつ検証可能でない限り、J.S.Foundationは皆さんから預かった募金をお出しすることができません。
皆さんの大切な募金をお預かりしている以上、最低限守るべき責任と思っています。
自然災害、武力衝突は益々混迷を深めていくことでしょう。偉そうに聞こえるかもしれませんが、J.S.Foundationは氾濫する情報を整理・分析・取捨選択し、ない頭を絞り、皆さんからお預かりした義援金を最大限有効活用できるよう実行することをお約束いたします。
ついては、支援先、支援方法をJ.S.Foundationに一任いただきたくお願い申し上げます。

さて、最後になりますが、平成16年の収支報告がまとまりましたのでご報告申し上げます。
詳細は決算報告のページをご覧いただければと思いますが、昨年も様々な緊急支援のほか、ブータン難民教育への支援や、識字・養鶏事業教育を通したアフガニスタンにおける女性の自立支援といった件に関し支援させていただきました。
また昨年も、Road&Skyの御協力を得て衣料品をアフガニスタン、イラン、モンゴルに送る事が出来ました。
子供たちを中心とし様々な場面で活用されていることが、J.S.Foundationに報告されて来ます。大変嬉しい限りです。
これも一重にみなさん、そしてRoad&Skyの協力があってこそ出来ることであり、この場をお借りして改めて御礼を申し上げたいと思います。 本当にありがとうございました。

重ねて申し上げますがJ.S.Foundationは皆さんのご協力があって初めて活動できる基金です。
今年も皆さんのご協力を是非お願いいたします。

J.S.Foundation事務局

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