J.S.FOUNDATION

活動報告

2018.04.05 UP

こんにちは。
3月13日に支援を行いました、国境なき医師団から活動報告が届きましたので、ご報告をさせていただきます。

J.S.Foundation事務局

国境なき医師団 シリア緊急援助活動のご報告

私たち国境なき医師団(MSF)は、第2次世界大戦以降で世界最大規模の避難行動を引き起こしたシリアの内戦によって、シリア国内及び周辺地域へ逃れた人びとへの医療支援を提供しております。
シリア北部で5ヵ所の病院と3つの移動診療チームを直営するほか、5ヵ所の提携医療施設を支援し、さらに東グータ地区を含むMSFスタッフ自らが立ち入れない地域の施設約50ヵ所を遠隔支援しています(2018年3月時点)。
特に、シリアの首都ダマスカス近郊の東グータ地区では、2018年2月18日以降、政府軍と同盟国による攻撃が激化し、MSFが支援する医療施設にも多くの死傷者が運び込まれています。
医療物資が不足し、診療所や病院が攻撃を受けて機能しなくなるなか、眠る時間さえほとんど取れないスタッフたちの対応能力も限界にきています。
また、東グータ地区内の医療ニーズは負傷した患者によるものだけではありません。
地区内では住民の大半が地下室や急ごしらえの地下シェルターに住んでおり、環境は不衛生で安全な飲料水は限られ、衛生設備はほぼ皆無です。
当地区で支援に当たる医療スタッフからは、呼吸器感染、下痢を伴う病気と皮膚感染の増加が報告されています。
シリア国内から逃れた人びとの多くも、仮設住居や食料がごくわずかしか手に入らず、医療や衛生管理の不足している非公式キャンプでの生活を余儀なくされています。
MSF移動診療チームのモハメド・ヤークプは、「避難者の健康状態は大変厳しい状態で、呼吸器感染症が非常に多く見られます。
また、慢性疾患の患者の多くが、薬を丸1ヶ月飲んでいません。
糖尿病と高血圧患者も数え切れないほどで、子どもたちはもう何年も予防接種を受けていません」と語っています。
MSFは、毛布・保温マット、衛生用品などの入った越冬支援キットを1000世帯超に配給し、さらに地域の中核病院の対応能力を上げるため、医療物資を寄贈したり、救急車の整備・燃料の供給を支援しています。
MSFの再三の要請にもかかわらず、シリア政府は統治下での医療・人道援助活動を認めていません。
そのため、MSFは医療物資の供給、病院や診療所で働いている職員の給与援助、公衆衛生面の指導、一度に多数の負傷者が運び込まれた場合の対応策、病院・薬局運営、専門外の症状や病理に直面した医師への医学的助言などを通じ、現場にいるシリア人医師を支援しています。

政治的圧力からの独立性を守るため、シリアでの活動にはどの国の政府からの資金も投入せず、すべて民間の皆さまからの寄付によって活動を行っております。
この度、J.S.Foundationを通じてご支援をくださった皆さまに心から御礼申し上げますとともに、今後とも国境なき医師団の活動に温かいご支援をいただけますようよろしくお願いいたします。

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