J.S.FOUNDATION

活動報告

2017.07.21 UP

皆さま、こんにちは。
毎日、うだるような暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
新聞やTV NEWSで国会議員たちが繰り広げる相変わらずのくだらない「やれ誰が口利きしたか?」「私は言ってない」「私は知らない」の茶番劇。
事の真相への関心をズラすために、わざとやっているのでは?と思えてしまうのは私だけでしょうか?

閑話休題。
2009年からジャパンハートとスタートした「ミャンマー子ども医療支援プロジェクト」も、今年で9年目を迎えました。
このプロジェクトを通じ、今までに約5400名ものミャンマーの子どもたちが、安心して医療を受けることができ、家族とともに笑顔でお家へ帰っていきました。
嬉しいかぎりです。その「ミャンマー子ども医療支援プロジェクト」の2016年度活動報告が、ミャンマーで活動されているジャパンハートのスタッフから届きましたので、ご報告させていただきます。
志を持って現地で活動されている方たちに改めて感謝です。

「ミャンマー子ども医療支援プロジェクト」2017年度分として3,445,000円を支援することを決めました。
2015年度分繰越金417,059円、2016年度分繰越金1,493,477円がありますので、1,534,464円を拠出させていただきました。
皆さまの変わらずのご理解ご支援に感謝いたします。

J.S.Foundation事務局 佐藤 映

J.S.Foundation ミャンマー子ども医療支援プロジェクト
2016年度活動報告書

いつもミャンマーの子どもたちのために、温かなご支援を頂きどうもありがとうございます。
2009年よりスタートした「ミャンマー子ども医療支援プロジェクト」は、皆様からの継続的なご支援のお陰で、この8年間で約5,400名もの子どもたちに医療を届ける事ができました。
実際に医 療を受けた子どもは5,400人ですが、この5,400人もの子どもたちの後ろには、子どもの病気が治った事によって共に笑顔を取り戻した沢山の家族(祖父母・両親・兄弟など)もいます。
よって、このプロジェクトは3万人以上のミャンマーの人々に幸せを届けてきたという事になります。
温かな ご支援に感謝しますと共に、その活動の様子を報告させて頂きます。

安心して治療を受けられるということ

右腕の火傷によるケロイドの治療を受けている3歳の女の子。
1日1回の消毒の時には、恐怖と痛みで大泣きしていますが、それ以外の時間は家族や他の入院患者さんたちと楽しそうに過ごしています。

ミャンマーの農村部では、今でも地面で薪を燃やして調理をしたり、電気がないために日常的にロウソクを使用している状況が多くあります。
その中で幼い子どもたちが、全身に大きな火傷を負ってしまうのです。
火傷の直後に適切な治療が受けられれば後遺症を最小限に留める事ができるのですが、農村部では火傷の治療に精通した医療者などほとんどいません。
そのため、ひどいケロイドとなって手足が変形するなどの後遺症を残し、受傷後数年を経て治療を求めて私たちの元を訪れる子どもが多いのが現実です。
またこのような火傷の治療には時間を要するため、入院期間が長期化するケースがほとんどです。
治療費のみでなく入院中のベッド代や食費のサポートが、子どもの入院生活を支えるご両親の大きな安心に繋がっています。

人前で思いっきり笑えるということ

口唇裂の手術を受けた6歳の女の子。少しでも傷が綺麗に治るように、テープを貼って手術部位の安静を保ちます。
傷が綺麗に治ってこのテープが外れるまでの1週間~10日間は、思いっきり笑うこともいっぱいおしゃべりする事も我慢です。

日本では生後間もなく手術をするため、普段私たちが街中で見かけることは殆どなくなったこの病気。
ミャンマーの中でも特に経済的に貧しい人々の多い農村部では、まだまだ治療をうける機会のなかった患者さんが多くいます。
もっとも人の目に触れる事の多い顔の奇形であるこの病気は、治療を受けられない事によって患者さん自身にとって、そしてご家族にとっても精神的負担は大きくなります。
治療を終えて、このテープを外して退院する際に患者さんとご家族の笑顔は最高です。

1人でも多くの命を繋ぐ…、高度先進医療へのサポート

また医療者不足や専門医の不足などの問題は山積のミャンマーの医療事情ですが、一方で都市部の子ども専門病院では、今までは治療が不可能であった子どもの心臓病の手術や、腎臓移植などの高度先進医療も実施されるようになってきています。
今までは諦めざるを得なかった命が、少しずつ未来に向けて繋がり始めています。
ジャパンハートでは、地方での経済的に貧しい人々に対する医療支援に加え、医療先進国である日本の専門家をミャンマーに派遣しての心臓および肝臓分野の高度先進医療に対するサポートも開始しております。

ヤンゴンにある子ども病院にて心臓病の手術を受けた9歳の男の子(右から2番目・青い服)とご家族。
ミャンマー北部の中国との国境に近い紛争地域から、心臓病があることなどはつゆ知らず、はじめは鼠径ヘルニアの手術を受けようとワチェ病院にやって来た男の子。かなり重症の心臓病があることが分かり、急遽ジャパンハートのサポートにて、ヤンゴンにある子ども病院へ搬送し心臓手術を受ける事となりました。

「何度も『夜は越せない…』と覚悟はしつつ、一晩中子どもの側で祈り続けた夜がありました。」と子どもを一番側で見守り続けた母親。
生まれた時から体が弱く、でも何が原因なのか分からない大きな不安を抱えながら、この9年間を過ごしてきたご両親。
そんな中でも9年間、一生懸命に生き続けた男の子。偶然の出会いとタイミングが相まって、1つの命が未来に向かって繋がりました。今後はとてつもない不安を抱えながら過ごす夜もなくなるはずです。

2009年よりスタートした「ミャンマー子ども医療支援プロジェクト」は、ミャンマーの経済発展や医療を取り巻く状況の変化に合わせ、少しずつ変化しつつあります。
それでも「1人1人の子どもや家族に寄り添い、経済的な心配をする事なく安心して治療が受けられるようサポートする事」が必要とされている状況にまだまだ変わりはありません。
誰もが安心して医療が受けられる ようなるまで、私たちももう少し頑張っていきたいと思っております。

《会計報告》

項目 金額
手術費 493,305円
入院ベッド費 22,976円
薬剤購入費 1,363,365円
検査費 341,335円
交通費 187,453円
食費 337,245円
その他 845円
合計 2,746,523円
2016年度 ご支援頂いた金額 4,240,000円
2016年度 支援金使用金額 2,746,523円
差額 1,493,477円(次年度へ繰り越し)

温かなご支援に感謝すると共に、今後も支援を必要としている1人1人の子ども達の命を未来へ繋ぐために活動をしてまいります。
引き続きご支援いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

ジャパンハート・ミャンマー事業
河野 朋子

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