J.S.FOUNDATION

活動報告

2017.02.28 UP

こんにちは。
HPの更新が滞っていてすみませんでした。

梅の花が咲き、菜の花が咲き、桜の花が咲こうとするこの季節ですが、咲く花は毎年同じに見えても、世界は想像以上に歪んで混沌とした重苦しい空気に覆われているような気が私には思えます。

最近のJS事務局にはNPO、NGOの関係者がお見えになります。
それぞれの方たちの人道支援活動への熱意に圧倒されたり、レクチャーされたりしているのですが、自分なりに勉強しなければと考えています。
その中で特に日本の子どもの貧困問題は衝撃的でした。
6人に1人の割合で子どもたちの生活が窮しているのだそうです。
そんな環境の子どもたちに『タダゼミ』という高校生向けの学習支援のプログラム活動をしているNPO法人「キッズドア」関係者の資料は、俄かには信じられないほどの苦しいデータでした。
J.S.Foundationも「子ども食堂」や高校生を対象にした塾「寺子屋」などの現場に伺い、現実を学びたいと考えています。

ルンタプロジェクト代表の中原さんが、ネパールの人身売買被害者の救出プロジェクトの活動報告に立ち寄ってくれました。
このプロジェクトはとても困難な活動なのですが、「Shakti Milan Samaj」という団体と協力体制を組み、一歩一歩確実な成果を残していってくれると信じています。

カンボジアに昨年設立した「ジャパンハート医療センター」からの報告書が届きました。
順調に乳幼児の医療支援が進んでいて嬉しい限りです。

J.S.Foundation代表 佐藤佐江子

佐藤 佐江子様

ご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか?
日本はまだまだ冬真っ盛りでとても寒いことと思いますが、こちらは少し涼しい期間を抜けて、徐々に1年で最も暑くなる4月に向けて日差しも強くなってきたように感じています。
ただ、体が南国に慣れてしまったのか、気持ちのよい日だねと妻と話していた昨日は34度もありました。

さて、こちらはたまにスタッフがお腹を壊したりしていますが、概ね元気に過ごしております。
だいぶ病院内でのスタッフの動線も定まり、業務に無駄な動きが無くなってきました。
昨年の秋頃からは若いカンボジア人医師も雇い入れ、彼らのトレーニングも並行して行っています。

開院してからこれまで延べ7000人以上の患者さんを受け入れて参りました。
今年に入ってから既に800人近い患者さんが受診されましたが、その中には重症の妊娠高血圧腎症で子癇発作(痙攣)を起こし、緊急帝王切開で母児を救命した患者さんがいたり、悪性リンパ腫というリンパ節の癌で肺も潰れて危なかった1歳半の子どもの治療支援を始めたり、5歳の腎臓がん(Wilms 腫瘍)を患った女の子を日本に連れて行く準備を始めたりと盛りだくさんで、その他にもたくさんの重症患者さんがこの病院を頼ってくださるようになってきました。

昨日も分娩中に赤ちゃんが出てこられなくなってしまった患者さんに対して吸引分娩を行い、赤ちゃんを元気なままで出産することができ、お母さんに会わせられたところです。
J.S. Foundation様をはじめとして多くの方に支えていただいているおかげで、開院以来幸い目立った医療事故なども無く患者さん達に医療を提供できております。

ところで以前のジャパンハートの活動と違って、やっぱり生まれたての赤ちゃんが病棟にいるのは良いですね。
赤ちゃんがいるのといないので明らかに患者さんやスタッフの雰囲気や明るさが変わります。
ただその一方で、周産期を取り扱うことで子宮内で赤ちゃんが死んでしまっている患者さんの相談も受けるのでそういう時の処置を幸せそうなお母さんもいる病院で行わなければいけないのが少しジレンマでしょうか。

いくつか写真を添付させていただきますのでよろしければご覧ください。
年度末にはカンボジアチームとして作成した正式な報告書を長谷川か古郡が持参して改めて伺わせていただく予定です。

石田 健太郎 医師
Kentaro Ishida MD, DTM&H, FJSOG
NPO Japan Heart, Staff Physician

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