J.S.FOUNDATION

活動報告

2015.07.31 UP

暑い、暑い、暑い日が続きます。
みなさまにはお変わり有りませんか?

何かが変だ。何かが変だ。このままではいけない、このままではいけないと、こころが叫ぶ。
親世代がいのちを賭けて創りあげたかった、平和な日本が曲がりなりにも70年続いている。
平和ボケといわれようと、先人たちの今の平和を手にいれるまでの道筋を振り返えり、2度と間違った道に踏み込まないようにしなければ。
今になれば安倍総理がキャッチコピーにしていた「日本を取戻す」の意味がわかりかけてきた。
戦前の日本にかえりたかったのだと。

J.S.Foundationはネパール大地震の被災地救援支援のため「ルンタプロジェクト(http://www.lung-ta.org/)」代表と打ち合わせをし「ネパール地震被災女性自立支援事業」に2015年7月から3年間支援する事を決定しました。
私たちがこのプロジェクトの支援を決定した理由は、2004年から3年間NGOピースウインズジャパンを通してアフガニスタンにおける女性自立支援を経験し、成功しました。
被災地では、仕事がありません。自ら仕事を作り出さなければ生活ができないのです。
そこで編み物や、機織り機能を習得させて現金収入を得るとともに、識字教育も行っていくつもりです。

ジャパンハートから昨年度の報告書が届きましたので以下をご覧ください。

J.S.Foundation「ミャンマー子ども医療支援プロジェクト」

2014年度 完了報告書

2004年よりスタートしたジャパンハートの医療活動は、最近ではミャンマー全土で広く認知されるようになりました。
現在ではジャパンハートの活動によって医療活動を受ける患者は、外来診療および手術を含め年間のべ1万6千人以上にも上ります。
「医療の届かないところに医療を届ける」をモットーに、2014年度は移動診療活動にも積極的に取り組み、まだまだインフラの十分でないミャンマーの僻地へも足を運びました。
また多様な疾患および現地の期待に応えるため、専門家手術ミッション(小児外科・整形外科)の回数も増やして、提供する医療の充実にも努めてきました。
2009年より実施してきた「ミャンマー子ども医療プロジェクト」は6年目の活動を無事に終え、2014年度は「ワッチャ慈善病院」「子ども養護施設 Dream Train」のジャパンハートの活動拠点だけでなく、その他5ヶ所で移動診療を実施しのべ822名の子どもに対して医療を提供することが出来ました。
また、このプロジェクトによって無料で治療を受けた子どもの数は、2009年からの5年間でのべ4,186人にものぼっています。
温かいご支援に感謝いたしますとともに、2014年度の活動報告をさせていただきます。

【2014年度 ミャンマー国内医療活動地】

サガイン北部およびカチン州、またミャンマー南東部のカヤー州まで足を運び、医療を届けました。
赤字表示は、今年度新たに移動診療にて医療活動を実施した地域

【専門家手術ミッションの実施】

家族の期待や多様な疾患に対応するため、小児外科および整形外科の専門家を年間4回招聘しました。

小児外科医の青山興司医師チームの手術の様子
整形外科医の中原慶亮医師チームの病棟回診の様子

活動範囲および治療範囲の拡大によって、今まで私達の医療が届けられていなかった子ども達にまで幅広く医療を届けられるようになりました。
ジャパンハートの医療活動の拠点であるワチェ慈善病院には、活動開始から10年が経過した今でも多くの患者が治療を求めて訪れます。
その数は今でも年々増加傾向にあります。それでも「ここまでは辿り着けないけれど、私達の助けを待っている子どもがいるかもしれない・・・。
そんな子どもを1人でも多く救いたい」との思いで、2014年度は巡回診療に力を入れて活動をしてきました。
まだまだインフラや経済的な問題、もしかすると知識の問題で適切な治療に辿り着けない人々が存在するミャンマー。
ワチェ病院に訪れる患者さん達を待つだけでなく、自らも医療僻地と呼ばれる地域に赴き、「医療の届かないところに医療を届ける」という理念の下でこれからも私達の活動は続きます。
今後もこのプロジェクトによって救われる子どもと家族の笑顔のために、スタッフ一同さらなる努力をしていきたいと思っております。

【会計報告】

2014年度 ミャンマー子ども医療支援 内訳(月別・項目別) ミャンマーチャット(Ks)にて表示

2014年度 手術代 ベッド代 薬代 検査代 交通費 食費 その他 月別合計
4月 1,202,900 350,000 890,899 149,150 67,000 782,200 3,500 3,445,649
5月 1,095,000 38,500 351,460 513,500 139,500 417,500 0 2,555,460
6月 1,115,000 121,500 855,520 607,000 189,500 768,700 3,500 3,660,720
7月 980,000 53,500 360,050 1,202,050 228,600 1,019,800 0 3,844,000
8月 905,000 155,500 771,000 581,900 177,500 678,900 0 3,269,800
9月 1,515,000 446,500 902,242 516,500 121,500 1,236,100 0 4,737,842
10月 475,000 9,000 822,955 582,800 213,200 992,300 0 3,095,255
11月 490,000 2,500 697,240 454,900 335,000 743,500 0 2,723,140
12月 500,000 440,000 741,450 696,900 826,500 0 0 3,204,850
1月 775,000 243,500 1,335,000 396,900 233,000 833,700 500 3,817,600
2月 330,000 120,500 974,550 293,600 138,000 0 0 1,856,650
3月 430,000 277,500 578,596 295,000 92,000 102,700 0 1,775,796
Total (ミャンマーチャット) 37,986,762

*2014年度決算レート 1USD=120.17円=1,079Ks
日本円換算 37,986,762ks=4,230,647円

<収支>

2014年度支援金 ¥3,600,000
2014年度 ミャンマー子ども医療支援実施費用 ¥4,230,647
差額 -¥630,647(追加支援依頼分)

以上のように支援金を使用させていただきました。
温かい支援に大変感謝しております。 今後とも引き続き温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
ご不明な点がございましたら、ご質問いただきますようよろしくお願いいたします。

<感謝のメッセージ>

最近、よく思い出すのは10年位前にアジア最貧国だったミャンマーで治療をしていたときのこと。
あの頃は私たちの元に治療を求めてやってくるたくさんの子どもたちひとりひとりに本当に治療費も検査費用も十分に確保できなかったから不十分な環境のまま手術に突入することも多かった。
日本からやってきた若い医師や看護師たちに、自分が外来で診たり、担当したりした子どもたちの治療費や検査代を負担させながら医療を続けていた。
医療者たちは、それはそれで幸せなのだと私は信じてはいたが。
現在、ミャンマーでは民主化が始まり、海外からたくさんの企業や支援が入り始め、政府の大型の病院をはじめとした改築がめまぐるしいスピードで始まっている。
建物や機器だけ立派になっても人は救えるはずもない。
この国に足りないものは設備よりも人や仕組みなのだと先に認識するべきだと思うのだが。
どこも大型の支援は現在を置き去りにして未来の話ばかりをする。
だから今、弱いものや貧しいものたちは取り残される。
都市部ではビジネスで成功した人々がたくさんではじめ、数年前はどの車もぼろぼろだったのにすっかりぴかぴかの車で道路は埋め尽くされている。
ミャンマー政府肝いりの、医療を無料にという掛け声の下、最初の診察と初期投薬のみはくれるようになったらしい。
もちろん手術費用は誰も出してくれない。そして既存の病院はそれだけですでにパンクしているらしい。
めまぐるしく上昇する物価によって農村部の人々の生活は少し厳しくなっているかもしれない。
今後しばらくの間は貧富の差は拡大し、貧困層は相変わらず医療の恩恵を享受するのは難しいと思う。
それがいったいどれくらい続くのか誰にも分からない。
ミャンマーの貧困層の子どもたちに医療がしっかり運ばれるその日まで、私たちの役割もまだまだ続きそう。

昨日、きれいな夕焼けを見た。
自分は幸せだなとそれだけで思えた。
自分が病気になると、家族や大切な人が病気になると、人は下ばかり見てしまう。
人生の多くの時間は、病気にフォーカスされ綺麗な夕焼けや気持ちいい風を感じたりなど出来なくなってしまう。
同じ時間を生きていても、同じ景色がそこにあっても、まったく違う時間を生きることになってしまう。
病気を治すということは、子どもたちだけでなく、家族にもそういう時間と人生をプレゼントする作業なのかもしれない。

浜田省吾さんやそのファンの皆さん、J.S.Foundationの皆さんには今しばらくお世話になると思います。
私たち医師や看護師の医療集団 ジャパンハートは、そのための道具みたいなものだから、是非、十分に上手く使っていただきたいと思います。
医療技術だけでは人は救われない。
お金だけでも救えない。
もちろん、善意だけでも救えない。
すべてが上手く繋がって病気の子どもたちのもとに運ばれたときに、人の命や人生は救われていく。
私たちは一人ひとりそれぞれの役目を全うしたいと思う。

特定非営利活動法人ジャパンハート
理事長 吉岡秀人

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