J.S.FOUNDATION

活動報告

2011.07.15 UP

暑い日が続いておりますが皆さまお元気ですか?

私が初めて南三陸の志津川に入った時期は、心底冷えて寒い日々が続き、避難所で避難生活をおくる人たちを心配しました。
3月11日からすでに4ヶ月経つのに、まだたくさんの方々が体育館などで生活されていて、今はこの暑さに耐えている様子を心配します。

日本の政治はどうなっているのか?

目にする風景は確かに季節を運び、廃墟となってしまった場所に青々とした葉っぱや花を咲かせ、時には涼しい風が吹いています。

J.S.Foundation絵本プロジェクトは7月6日から8日にかけて気仙沼、石巻、東松島に行ってきました。
いつものように現地の仮設住宅、保育所、保育園をひとつずつ訪ね歩き、絵本を必要としている施設をさがします。
そして、必要だと言われた施設に翌日届けにいきます。このようなやり方で支援行動をしています。
時間はかかりますが、行き届かない地域に届ける、これが私たちに出来ることなので楽しんで動いています。

8日は強力なる助っ人岩熊さんと仙台駅で合流。
なぜ強力なる助っ人なのかと言うと、代々木のコンサートの時、田家さんと岩熊さんがJ.S.Foundationのブースに立ち寄り、「田家さんより僕の方が力があって力仕事は手伝える」とさかんに売り込みをかけられたからです(笑)。

仙台の若林区のベース基地にむかい、さっそく絵本の仕分け作業。
この日は気仙沼の保育所、仮設住宅、8カ所に届ける予定の為けっこう大仕事。

その作業中、岩熊さんに異変。
「クマさんどうしたの?」「腰ひねっちゃって。イタイイタイ」
「ハァーこれから力仕事なのに~」と言いながら重い本を持ったフリ作戦を私と岩熊さんとで開始。

車への積み込みなどは青年2人にまかせ、岩熊さんに基地の周辺の説明。
岩熊さんは初めての被災地のようでいろいろ感じることが多いらしく言葉が少なくなる。
「映像では本当にわからないね」と繰り返される。

この日もたくさんの保育所や保育園、仮設住宅の集会所に皆さまからお預かりした絵本を届けることができました。
岩月保育所→前沢保育所→石甲保育所→水梨保育所→双葉保育園→気仙沼公園応急仮設住宅→内の脇保育所→かやの美保育所の8カ所をまわりました。
実際にこどもたちに手渡す時、絵本をお持ちくださった皆さまのお心遣いを感じます。
ほとんどの絵本が本当にきれいに保存されていて園長先生にも感謝されています。

ある保育園ではお祭り騒ぎのようにこどもたちが喜ぶので思わず聞いてしまいました。
「なんであんなに喜んでいるのですか?」
「お気に入りの『ミッケ!』がいっぱい入っているから嬉しいんでしょう」とニコニコ顔。
「そうか~『ミッケ!』はそんなに嬉しいのか」とすでに30歳を過ぎたこどもの親である私は、絵本プロジェクトの責任者として、もう少しこどもの絵本の勉強をしなければと反省。
こどもの感受性にすこし疎くなっていたかも。

気仙沼公園の仮設住宅ではこどもたちは元気に自衛隊やボランティアの人達とも仲良くしていた。
福岡から来ている自衛隊員に岩熊さんが声をかける。「福岡から?ご苦労様です。僕も福岡人タイ」。
思わず突っ込みをいれる私「血液型はB型ですか?」


ボランティアに訪れた人達のメッセージがこころを打つ。

いつものことながら絵本を受け取られた園長先生、保母さん、こどもたちの喜んでくれる笑顔を見ると、疲れは吹っ飛び、こころ遣いのこもった冷たい麦茶がひとしお美味しいです。
岩熊さんが「川のせせらぎが気持ちがいいね~」と言った竹林や木々の中にひっそり建っていた保育所の園長先生が
「よくこんな奥まで届けて下さって!」の一言は嬉しかったです。
あの保育所の風景を皆さまに届けたかったのですが…、岩熊カメラマン写真ありませんでしたよ(笑)。

中国映画でチャン・ツィイーの『初恋のきた道』というのがあるのですが、あの女の子が絶対いそうなこころに残る風景でした。

岩熊さんお疲れさまでした。本当にご一緒できて楽しかったです。またの助っ人お待ちしております。

J.S.Foundation代表 佐藤 佐江子

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