- 2025.07.22 UP
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こんにちは!
NPO法人ルンタプロジェクトがネパールで行っているHIV陽性学童教育支援事業。
J.S.Foundationは2019年よりご支援を行っています。
ご支援は3年間を一区切りとしており2024年度が最終年度となりますが、引き続き2025年から2027年度までの3年間継続させていただくことになりました。2025年度は60万円を拠出させていただきましたことを皆さまへご報告いたします。
ルンタプロジェクトから2024年度の活動報告を頂戴しました。
ご紹介させていただきます。ぜひご覧ください。ネパール・HIV陽性学童教育支援事業
2024年度事業報告2025年 7月14日
NPO法人ルンタプロジェクト代表 中原一博
J.S.Foundation 様当ルンタプロジェクトは2019年度よりJ.S.Foundation様の全面的なご支援を得て、現地カウンターパート/シャクティミランサマージュと共にHIV陽性学童への教育支援事業を継続することができています。
HIV陽性学童を抱える父母においてはその多くが同じくHIV陽性者であり、片親がAIDSで亡くなっているか、離婚して母親だけ、または両方を亡くした孤児というケースがほとんどです。
一般にこのような家庭の経済状態は非常に悪く、正規の仕事につつけているケースは少なく、日雇い仕事に従事するものがほとんどです。
経済的に子供を学校に通わせることができない家庭も多いという状況の中でこのような教育支援の必要性は高いと思われます。
教育費が払えずやむなく退学せざるとえないという学童をできるだけ救いたいと願っています。
2024年度(2024年7月1日~2025年6月30日)支援報告今期は支援金70万円をいただき、500,000ルピー(約560,000円)を予算として提示しました。
今期の期末レートは1ネパールルピー=1.12円でした。結果140,000円余ったことになりました。
前期からのマイナス繰越金が65,500円でしたから、これを引くと74,500円余っていることになります。
このお金は次期に繰越ということにさせていただきます。
出費の詳細については添付のシャクティミランサマージュからの報告書にもあるように、教育支援としては小学生16人へ各8,000ルピー、中学生19人へ各10,000ルピー、高校生13人へ各12,000ルピー、計48人へ計500,000ルピーを支援いたしました。上の写真は対象者一人一人の詳細を記録した報告書です。家族の構成や経済状況、HIV陽性証明書も含まれています。
シャクティミランサマージュからの報告書には支援対象者の内から5人の個人的ストーリーが添えられています。
その内から以下に2人のストーリーを翻訳しお伝えします。ダニッシュ・タマン10歳(母:ダヌ・タマン) 母親からの手書き
私の名前はダヌ・タマンです。ナワルプール郡の出身で、39歳です。
現在はカトマンズの南のスナコティ地区に10歳の息子と一緒に住んでいます。
彼は今小学4年生です。
生活はとても苦しいのですが、子供と将来のためを思い、精一杯頑張っています。
私は恋愛結婚をしました。
お互いに理解し敬意し合うことにより良い人生を作り上げることを夢見ました。
しかし、夢はすぐに悪夢となりました。
結婚後、夫は感情的にも経済的にも父親の責任を全く果たしませんでした。
夫は私たちに暴言を吐き、暴力も振るいました。酔って家に帰っては私に暴力を振りました。
耐え難くなり、ついに自分と息子の安全のために離婚を決心しました。
それ以来別れた夫は私たちとは一切連絡を断ち、何の援助もありません。
家賃、食費、学費など日々の生活費を全て私1人がなんとかしなければいけません。
数年前のこと、私は外国に出稼ぎに行こうと思い、ビザ取得のために健康診断を受けました。
そして、その時自分がHIV陽性者だと言われ、大変ショックを受けました。
すぐに息子も検査しました。
彼もHIVと知り、私は絶望的な気持ちになりました。
夫は自身がHIVであり、自分たちに移したことを知っているのかどうかは今もわかりません。
現在私は住み込みの家政婦として働いています。
給料は月に4,500ルピー(約4,800円)しかもらえません。
一生懸命働いているのに家主は不満を口にします。
この給料では私と息子の生活はとても賄えきれません。
新しい仕事を探しています。
2年前からHIVの薬を飲み始め、定期的に専門のテクーの病院で検診も受けています。
幸い今のところ大きな健康障害は起きていません。
HIVであることは精神的に辛く、社会的にも隠れて生きなければいけません。
でも、子供のことを思い、私は強く生きようと思っています。
この3年間息子の学費を支援してくださり、シャクティミランサマージュにはとても感謝しています。
この支援は私の困難な旅に希望と力を与えてくれています。インドゥ・ブダコティ12歳(母:サビナ・ブダコティ) 母親からの手紙
私の名前はサビナ・ブダコティです。
カトマンズの ダルマスタリ地区に19歳と12歳になる2人の娘と一緒に暮らしています。
シングルマザーとして生きていくことは大変ですが、子供たちが日々生き抜く力を与えてくれています。
上の娘は今大学に通っています。
下の子は小学4年生です。
自分1人で2人の子供を育てるのは大変です。
ここまで来れたことを誇りに思います。
夫とはもう随分前に別れました。彼は結婚後も一緒に暮らさず、家族に対し感情的にも経済的にも何も責任を果たしませんでした。
家賃、食費、教育費など全ての生活費は私の肩にかかっています。
仕事があれば何でもやります。
ほとんどは日雇いの仕事で、あと小規模の養鶏を行っています。
しかし、私の体が完全でないこともあり、月に1,500~2,500ルピー(約1,590~2,650円)しか収入はなく、全く足りない状態です。
私は健康に問題を抱えています。
12年前に夫が病気になり、検査でHIV陽性と診断されました。
その時私と娘2人も検査して私と下の娘が陽性でした。それ以来薬を飲み続けています。
HIVに加え、左半身の一部に麻痺があり、また度々健康問題を抱えます。
体のせいで継続的な仕事や体を使う仕事ができないのです。
このように困難はたくさんありますが、とにかく私は子供たちが学業を続け夢を持ち続けることに全てを尽くしました。
下の娘はミランサマージュから教育支援を受けています。
これに対し、深く感謝しています。
彼女はとても成績が良く活発な子供で、絵やダンスなど課外活動も大好きです。
彼女は幼いにも関わらず感情的に成熟していて、家族の状況を理解し、助けようとしてくれます。
この教育支援は本当に助けになっており、これなしには子供たちの教育を続けることができないのです。
この支援に深く感謝しております。
健康的にも経済的にも困難な私ですが、自立のために頑張っています。
夢は娘たちに差別と貧困とスティグマから自由な将来が実現されることです。J.S.Foundation事務局