- 2025.05.20 UP
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活動報告の中でも何度かご紹介してまいりました、横浜こどもホスピスプロジェクト「うみとそらのおうち」と同様に、J.S.Foundationは北海道こどもホスピスプロジェクト「くまさんち」も応援しています。
「くまさんち」は、北海道大学病院や札幌医科大学病院に小児がんなどの治療のために入院しているお子さんと、付き添いのご家族のための滞在施設です。
北海道内は移動距離が長く、車やJRで数時間かけて通院・入院されるご家庭も少なくありません。
この施設では、病気と向き合うお子さんたちはもちろん、ご家族も治療の前後などに訪れ、安心してこどもらしい時間を過ごしています。このたび、「くまさんち」の活動状況についてご報告をいただきましたので、皆さまにもぜひ知っていただきたく、ご紹介させていただきます。
J.S.Foundation事務局
NPO 法人北海道こどもホスピスプロジェクト
「くまさんち」ご報告2025/4
現在の場所(札幌市中央区)に、くまさんちがお引越しオープンして1年が経ちました。この一年、47家族(延べ)、大人こども(きょうだい含)合わせて139人(延べ)と多くの患児とそのご家族が利用してくださいました。
くまさんち利用の提携病院は、最初は北海道大学病院小児科だけからスタートしましたが、24年夏から札幌医科大学病院小児科も加わり、利用家族の範囲が広がりました。
また、9月からマンションオーナー様の御好意により、くまさんち2部屋目が稼働をスタートしたことで、利用希望が重なってもお断りすることが殆どなくなりました。小児科で小児がん等の治療のために入院している患児、付き添い保護者が、治療と治療の合間に、車やJRで4〜5時間かかる函館、釧路や帯広などの自宅へ戻らず、くまさんちで1〜2泊ゆっくり気分転換をし、その後の治療に臨む元気を充電するために利用されることもありました。
また外来通院のため遠方から受診の前日に札幌へ到着、受診日当日は朝早く病院へ向けてくまさんちを出発するということもありました。
中には患児と一緒にきょうだいさんもくまさんちに泊まり、家族時間を楽しんでいることもありました。写真は道外より患児の受診に合わせてきょうだい、お父さん、お母さん、おばあちゃんがくまさんちを利用した際のもの
昨年秋頃は、2歳の患児がおばあちゃんから腎臓の提供をうける腎臓移植後に利用されました。
移植後退院しても1週間後に受診が必要で、水曜日は泌尿器科、木曜日は消化器科…と受診する科も曜日も違い、また移植のドナーとなったおばあちゃんにも受診が必要でした。
患児の自宅がある道南の町からその都度往復する負担は大きく、くまさんちにお母さんと患児、おばあちゃんが約2週間滞在して、移植のための数週間の入院による疲れをくまさんちで取りつつ体調を整えながら、退院後の受診を頑張っていらっしゃいました。9月に稼働スタートした2部屋目
JS Foundation様から頂いた支援金は、201号室運営費の他、202号室準備のためのベッドや備品、消耗品などの購入にも使わせて頂きました。
また、浜田省吾さんのコンサートグッズ(ブランケット、エコバッグ、お箸など)は、くまさんち利用患児、きょうだい、ご家族にお渡ししていて大変喜んでくださっています。本当にありがとうございます。
くまさんち利用患児は現在、治療中の子ども達ばかりで広い北海道の特性を考えると、北海道に建設を目指す「こどもホスピス」とはまた別の大切な役割を持っていると考え、これからもしっかり運営を続けていきたいと思っています。
2025年3月には、札幌北楡病院という札幌市内で小児血液がんの治療を専門に診ている病院が提携病院に加わりました。
この場所を必要とするまだ出会っていない患児・家族に1人でも多くくまさんちを使ってもらえるよう、北海道の色々なところへ出向き活動を伝えていきたいと思っています。