- 2004.10.13 UP
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思うに希望とは
もともとあるものとも言えぬし
ないものともいえない。
それは地上の道のようなものである。
歩く人が多くなれば
それが道になる。(魯迅)J.S.Foundationに携わっていると国際機関の人と会う機会が多くなり、中でもフィールドサービスに従事しているスタッフの体験談は興味深いものです。
大学生の頃マザーテレサの「死を待つ人の家」の手伝いをしたのがきっかけです、と話してくれた外科の医師。
『あなた身体、大丈夫?』と私を心配させるほど、はかなげな若い女性が単身ネパールの疎村で取り組むエイズ教育。
『僕は新潟の三条市の水害現場に手伝いに行きました。そこでJ.S.Foundationから寄付がきているのを知り嬉しかった。
じつは僕も浜田さんのファンクラブの会員なので仲間に後押ししてもらっているようでした。』とメ-ルを送ってくれた方。こういう沢山の人達が希望をさがしに内外問わず被災地に赴き、諸先輩のつくり出した道を辿っているのです。
J.S.Foundationに寄せられる皆さんの善意は、災害現場や紛争地で救済を待つ人達と、このように現場に赴いてくださる人達を通じて確かな形で希望という道づくりのお手伝いができることは本当に幸せです。
話は変わりますが、先日青山の国連大学で開催された、写真家小林正典さんの「命をみつめてー世界の難民」の写真展へ行ってきました。
故郷を追われ呆然と遠くを見つめる老人。
僅かな家財道具を背負い荒れ地を裸足で歩く家族。
カメラに無邪気に微笑みかける子供。
難民キャンプに辿り着く前に命の火が消えてしまいそうな栄養失調の子供を抱え途方にくれる母親。
写真を見ているとその切り取られたワンシーンに自分が写っているような錯角をおこし、形容しがたい感情が澱となり沈みます。
今日を生き抜くことが最優先のこの人たちに何ができるでしょうか?
勿論、当事者の心の苦しみや悲しみや怒りを共有することはできません。
ましてや不条理な戦争やテロで肉親を失った人たちの想いをおしはかる術を知りません。
しかし共有はできなくとも、『あなたたちのそばに私達はいるからね。』と物資や医療を通じて伝えることができると思います。「連続テロ」「環境破壊」「内戦」さまざまな問題を抱えながらも今日は過ぎます。
人は「何の為に殺し、殺されたのだろう?」と考えなしの私でさえ最近は考えています。9月23日、水谷さん、春嵐さん、浜田さんや沢山の関係者の御協力を得て「Fairlife」から印税収益をJ.S.Foundationへ寄付してくださるチャリティーシングル “永遠のともだち/砂の祈り”が発売されました。
この収益は国際NGOと連係をとり確実な方法で役立たせることを約束いたします。
浜田さんたちの温かいお気持ちに感謝します、と「ピ-スウィンズ・ジャパン」、「AMDA」、「UNHCR」等今まで共に活動してきた団体から言葉が寄せられました。
「Fairlife」の皆さんの問題意識の喬さや憂いはJ.S.Foundationの代表としての未熟さを再認識させられます。
人の優しさはどうも人の心の弱さと比例するように思えてなりませんが、このCDを聴きながら優しい気持ちになれたら素敵ですよね。
現在J.S.Foundationは、医療と教育を重点に様々な団体と協力関係にありますが、特に教育は大切だと考えます。
「Fairlife」の寄付の一部が、アフガンの学校教育に参加できるか現在調査しています。
11月になればアフガンの総選挙も終わり、少しは安全になると言う情報ですのでカンダハールの現場に入れそうとのことです。教育が全てではないにしろ、自らの身を守り、自活をするための1つの重要な手段となることは間違いありません。
そしていつの日か、なんの為に殺し、殺されたのだろう?という問いかけに答えを出してくれる人が現われることを願っています。
遠い遠い未来かもしれませんが、希望は存在します。『イラクに大量破壊兵器は存在しなかった』というアメリカ調査機関の発表をイラクの混乱に巻き込まれた人はどう理解すればいいのだろう?
J.S.Foundation.代表 佐藤佐江子