J.S.FOUNDATION

ギャラリー

Photo & Text by JUNJI NAITO PHOTOGRAPHS

12.
 この写真は2018年3月クパトゥロン難民キャンプでの撮影を終え、立ち寄ったコックスバザールの海岸で撮影しました。迫害から逃れるため、小さな船で海を渡った多くのロヒンギャ難民がたどり着いた浜辺です。
そこで遊ぶ少女に希望の願いを込めてシャッターを切りました。

前年2017年秋、病床の故・佐藤佐江子J.S.Foundation代表のお見舞いに伺った際に「内藤さん、ロヒンギャ難民のことを知ってる ? 彼らの難民キャンプに行く気持ちある ?」とたずねられ、その場では応えられず数日自問しました。代表は重い病と闘いながらも、まだ人の生命のことを常に考えておられる・・・。代表の私への問いかけが、遺言のように、その瞳から私には感じられたのです。
渡航を決意し準備を重ね、2018年3月に難民キャンプへ。J.S.Foundationをご支援くださる皆さまと、厳しい状況にある世界中の方々、そして彼らに寄り添う団体との懸け橋であるJ.S.Foundationの活動の状況を写真に収め、佐藤代表にその写真をお見せする。私の思いはその一心でした。

帰国後一週間集中して昼夜を問わず写真を仕上げ、自宅療養中の佐藤代表を訪ね仕上げた写真を見ていただきました。時間をかけて一枚一枚噛みしめるように丁寧にご覧くださり「いいね。ありがとう。」とおっしゃって頂きました。
そのひと言で私は報われました。そして5月に彼女は旅立ちました。

J.S. Foundationは新しい世代がその志を引き継いでいます。
私もまだまだ一緒に歩みたいと思っています。

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