- 2018.08.06 UP
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西日本豪雨災害の被災地では、未だに多くの方々が避難所で困難な生活を送られているというのに・・・、今度は異常な猛暑。異常気象という言葉では説明できない大きな大きな変化が、地球単位で起こり始めている気がするのは私だけでは無い気がします。
先日、ルンタプロジェクトの中原さんがJS事務局を訪れました。
前年度の報告と今年度の計画のお話しをしました。
3年計画の最終年。成果は着実に出始めているとのことです。
来年度からは現地の団体にプロジェクトを引き継ぎ、より多くの女性の救出を進めていきたいとのことです。
JSもルンタとともにできる協力は、引き続き続けていきたいと思っております。最終年にあたる今年は9,999,360円支援いたしました。
支援金は2016年1月7、8日に東京国際フォーラムに於いて開催されました「ネパール被災地復興支援&海外人道支援プロジェクト」チャリティーコンサートの支援金、49,256,056円から拠出させていただいております。J.S.Foundation事務局
<救出された女性たちの希望>
NPO法人ルンタプロジェクト代表 中原一博15歳のニシャは母親と喧嘩して家を飛び出しました。
当てもなく夜道を歩き続け、気づいたときには、まったく知らない地区に迷い込んでいました。
通りかかったトラックの運転手に帰り道を尋ねると、「送ってあげる」と言います。
トラックには数人の男が同乗していましたが、ニシャは疑うことなくトラックに乗り込みました。
しばらく走った後、トラックは人気のない場所で突然停車しました。
そして狭い車内で身体を押さえ付けられ、男たちに抵抗することもできず、ニシャは強かんされたのです。それだけでは終わりませんでした。トラックはネパールの国境を越え、着いた先はインドの首都ニューデリー。
トラックから薄暗いアパートに連行され、部屋に監禁されてしまったのです。
ニシャはその日から毎日、薄暗い部屋で男たちの相手をさせられました。それから1年後、インド警察による売春組織の摘発により、ニシャも救出されました。
現在は救出された少女たちが心の傷を癒やす保護シェルターで生活しています。私たちルンタプロジェクトでは、J.S.Foundation様からの全面的支援により、2016年7月から「ネパール人の人身売買被害者レスキュー及び職業訓練」のプログラムを進めてきました。
この2年間で、ニシャのような被害女性44人を、インドの娼婦街などから救出することに成功しました。
この人身売買はマフィアが絡む組織犯罪です。レスキューというミッションは容易ではありません。救出だけでなく、その後の彼女たちの精神面、生活面を支えることも重要です。
ルンタプロジェクトでは、サバイバーと呼ばれる国内外ですでに救出された被害女性135人に、手工芸を中心とする職業訓練を施すことができました。
数カ月の訓練で、絹のショールや羊毛のマフラーなどを手作りできるようになりました。同時に私は、レスキューされた女性たちへインタビューを続けています。
心に深い傷を負った女性たちは、被害の核心的な話を避ける傾向にあります。
辛いことは思い出したくないし、心の傷を再び開けたくはありません。
しかし同じ経験をした女性たち同士で、話し合い、理解し合い、トラウマを克服していくことも大切です。
私が「シェルターでの暮らしはどう?」と尋ねると、彼女たちは「自由になって嬉しいし、毎日が楽しい!本当にありがとう」と明るい表情になります。
彼女たちから、支援を続けてくださる皆様への感謝の言葉に他なりません。J.S.Foundation様、そして支えてくださるドナーの皆様、同プログラムにより救出された女性たちと共に、心より感謝いたします。ダンニャバード(ありがとう)!
2018年7月10日 カトマンズにて