- 2018.03.08 UP
-
J.S.Foundation事務局は、2017年9月、困難な状況に置かれているロヒンギャ難民の方々に、国連UNHCR協会を通して支援を行いました。
この支援は主に支援物資やシェルターに使われています。しかし、彼等の状況は改善するどころか、さらに多くの人々が難民キャンプに押し寄せている状況です。
以前より設置されていたキャンプの収容能力を遥かに超える人数が限られた範囲で生活しています。
難民キャンプは極度に劣悪な環境で、人々は食糧・飲料水がほとんど手に入らない状況です。
生活物資・医療品の不足、むき出しの仮設テント、トイレ事情などから衛生面も問題を抱えています。そんななか、J.S.Foundation活動当初から支援をさせていただいているAMDAが、2017年の10月からバングラデシュにあるクトゥパロン難民キャンプにて、診療所を開設し、無料診療をしていてその運営のことで相談を受けました。
そして、色々と話し合い、その医療支援のため皆さまから託されているお心、2,000,000円をAMDAに託しました。
この支援金は、主に医薬品、医療資材、ロジスティック費用などに使っていただきます。先日、AMDAから活動報告が届きましたので、ご報告させていただきます。
J.S.Foundation事務局
AMDAロヒンギャ難民に対する医療支援活動 報告
皆さま、こんにちは。
昨年8月以降、国境を越えてバングラデシュ側に逃れてくるロヒンギャ難民の数は増加の一途をたどっており、私たち認定特定非営利活動法人AMDAは2017年10月より1年間の予定で医療支援活動を行っています。
このたびJ.S.Foundation様のご支援を受けることになりました。1991年以降、徐々に増加してきた難民の数がバングラデシュ国内におよそ21万人、彼らはバングラデシュ各地で暮らしていました。
しかし、今回の新たな難民の大量流入を受け彼らは難民キャンプに戻るよう言われています。
そのためキャンプ内の人数が更に増えています。
すべての難民の方の登録はできておらず実数の把握は困難となっていますが、難民数の合計は90万人と推定されています。もともとキャンプである地域に更に大量の難民が流入しており、居住区域が不足しており新たに山を切り開いている状況です。
道は傾斜があり、多くの難民は急な坂道を移動しています。
2017年以降新たに急造された住居は、竹材とビニールシートでできており、強い風や雨が来ると倒れてしまいそうです。
建物と建物の隙間が狭いうえ、ゴミや汚水、料理の際の炊煙などが満ちています。トイレは、当初数が不足していましたが現在は多数建てられてきています。
しかし、多くのトイレが継続的な管理が困難で、特に古いトイレは排泄物であふれています。
井戸も作られていますが、同じく機能していない井戸がみられます。
飲料水は給水が行われており、難民たちは手持ちの容器に水を汲んで持ち帰ります。このような状況の中、子どもたちは手作りのおもちゃなど、例えばビニール袋の切れ端で作った凧、ペットボトルをくりぬいて車にするなど自分たちで工夫を凝らして遊んでいます。
何が最も困難かという問いかけに対し難民の方は、「食料はまだ支援があるのでなんとかなるが、仕事がなく、現金収入を得ることが最も難しい」と答えています。
また、「誰からも攻撃されず安全に暮らせること」が難民の方の願いです。2017年10月、診療所を開設。
活動場所は、ミャンマーと国境を接するバングラデシュの町、コックスバザール近郊クトゥパロン難民キャンプです。
ここで、診療所を運営し無料診療、医薬品の提供を行っています。
活動主体はAMDA支部のひとつであるAMDAバングラデシュ、および連携医療機関の日本バングラデシュ友好病院です。
支部の果たす役割は大きく、言葉や文化、宗教の面から現地の状況に合わせた支援を行っています。診療所には毎日120人の患者が訪れて、イスラム教の休日である金曜日以外は毎日懸命な支援を続けています。
医療チームは通常8名で構成(コーディネーター1名、医師2名、助産師1名、薬剤師1名、医療アシスタント3名)します。
ロヒンギャ難民はベンガル語の更に方言を話すため、バングラデシュ人の中でも難民キャンプに近い地域に暮らす人でなければ理解が困難です。
そのため医療アシスタントは主に通訳として活躍しており、ロヒンギャ難民の方もチームに加わり共に活動しています。これまで、日本を含めて海外から8名を派遣し現地調査、医療支援活動へのサポートを行っています。
皆さまのご支援に感謝するとともに、今後も引き続き、温かいご支援をいただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。AMDA
ロヒンギャ難民支援担当
プロジェクトオフィサー 橋本千明